「ねんきん特別便」が届いたら

ねんきん特別便 見本
ねんきん特別便見本

5000万件に上る年金記録漏れは、政権を揺るがす問題になっています。これまで数十年に渡って適切な処置を行わず放置してきた厚生省、社会保険庁が問題の根元であるには違いありません。
「ねんきん特別便」は、最も不利益を被っている我々国民自らが、自分の年金記録を確認する最も確実な方法であるのは確かです。しかし、送付された「ねんきん特別便」の「わかりにくさ」や、社会保険事務所の窓口対応の悪さなどで訂正処理は一向に進んでいません。厚生省は問題点を指摘され「ねんきん特別便」の再送付や、社会保険事務所での窓口対応見直しが進められています。

ねんきん特別便の概要

「ねんきん特別便」の概要と取り組みスケジュールは次の表をご覧ください。

ねんきん特別便配布スケジュール
2007
12/17
2008
3/末
2008
4月
2008
10/末
対象 不明記録に結びつく
可能性が高い人
不明記録に結びつく
可能性が低い人
人数 850万人 1150万人

「ねんきん特別便」は20007年12月17日より、年金記録漏れ情報に含まれる可能性の高い人から順次発送されました。ただし、「ねんきん特別便」に記載されている情報はあくまで、現状のデータだけで、記録漏れの5000万件データは記載されません。代わりに「5000万件の中に、あなたの記録と結び付く可能性がある記録がある」とのメッセージが添えられているだけです。
つまり、送られたデータに記入漏れがある場合は、過去の年金加入情報を自分で調べて追加訂正を求めなければいけません。
ところが、本来訂正が必要な人も「訂正なし」と回答する人が多くこのままでは5000万件の年金記録漏れのほとんどが解消されないことになります。そこで、下記「ねんきん特別便対応見直し」に説明する見直しが進められています。

2008年4月からは5000万件の年金記録漏れ情報とは関係が低いと思われる人1150万人にも、現在の年金記録が送付されます。もちろん、この中にも年金記録漏れが疑われる人が出てくると思いますが、「ねんきん特別便」が2008年3月末までに届いた人は、自分の年金記録に漏れがないか十分チェックする必要があります。

ねんきん特別便の手続き

ねんきん特別便 確認はがき

届いた「ねんきん特別便」の加入記録を調べた結果、記録に問題がなく訂正の必要ないときは、年金受給者も現役世代も対応は同じです。
★ねんきん特別便記載内容に問題がなければ★
「年金加入記録照会票」から「確認はがき」を切り取って”訂正がない”を○で囲み、生年月日、氏名を記入して返送します。


年金記録内容に訂正が必要な場合

「ねんきん特別便」の記載内容に疑問があるときや明らかにミスを発見したときには訂正を申告する必要があります。訂正申告は、年金受給者と現役世代では対応が異なります。

年金受給者の場合
お持ちの年金証書と「ねんきん特別便」に同封されている「年金加入記録照会票」を持参して、社会保険事務所で手続きします。または、「ねんきん特別便専用ダイヤル」で郵送処理をお願いすることも出来ます。
現役世代の場合
現役世代で訂正が必要なときは、送付された「年金加入記録照会票」の確認はがきを切り取らず、”訂正がある”に○をつけ、返信用封筒で返送すれば済みます。

年金支払いや年金受給で、住所変更手続きを済ませていないと「ねんきん特別便」が郵送できません。住所変更手続きがまだの人は早急に手続きしましょう。また、結婚などで名字が変わった人も手続きが必要です変更手続きをしましょう。

ねんきん特別便対応見直し

未処理

年金漏れ5000万件の解消切り札と思われていた「ねんきん特別便」が、暗礁に乗り上げています。2007年12月に送付された48万人への「ねんきん特別便」は、記載漏れがほぼ確実だと見られる対象者に送られました。
ところが、実際に訂正が必要だと回答したのは10%にも達しませんでした。これだけ訂正申告比率が低いのは「ねんきん特別便」が「分かりにくい」からだと指摘されています。
そこで、社会保険庁は内容を修正して送付済みの73万人に「ねんきん特別便」を再送し、各地の社会保険事務所に窓口対応の改善も指示しました。

85%が訂正なしと回答
2007年12月に送付された48万人への「ねんきん特別便」は、年金記載漏れの可能性が極めて高い人です。ところが、そのうち85%もの人が「訂正なし」と回答してきたのです。
これは、社会保険庁が不正を防ぐため、記載漏れ情報は一切伝えず、現在認められている年金情報だけを記載して送付したためです。このままでは、5000万件の年金記載漏れのほとんどは解明されないまま放置されてしまいます。
年金確認時ヒント提示へ改善
社会保険庁がお粗末なのはまだまだ続きます。社会保険事務所などに年金漏れの可能性があると訪れた人に記録に関する情報を窓口で教えることは一切禁止していたのです。これも、不正に年金を受け取ることを防ぐためだとしていました。しかし、なんのヒントもなしに全ての情報を思い出すのは相当困難です。
例によって、マスコミや政治家の批判を受けて遅ればせながら社会保険庁は方針転換し、事業所の業種や所在地、加入期間という年金記録の統合に役立つ3情報を相談者に伝えることを許可する方針を決め、全国の社会保険事務局に通達を発送しました。
送付済み73万人に再送
既に送付済みの73万人に内容を修正した「ねんきん特別便」を再送付することになりました。しかし、再送される「ねんきん特別便」には、可能性の高い個人記録の追加記載は見送られることになりました。プログラム開発が必要なことと、「なりすまし」を防ぐためだと言います。再送付には約1億7200万円の追加費用がかかりますが、送付内容にあまり改善が見られないので効果は疑われます。

これまでに「ねんきん特別便」を受け取られた方は、年金漏れがあると思って探してみましょう。もしわからなくても、現在は社会保険事務所で年金漏れ情報のヒントが得られるはずです。一度社会保険事務所に相談に行きましょう。


関連情報リンク

社会保険庁「ねんきん特別便」
社会保険庁「ねんきん特別便」詳細情報

「ねんきん定期便」が届いたら
将来もらえる年金額を通知する「ねんきん定期便」を受け取ったときの対応

年金&退職金最近の話題

ゼロ金利解除で何が変わる

退職時の注意事項

今からできる退職準備

マネープラン

投資商品研究

退職年金豆知識

保険選びの知恵

お知らせ