退職1年目の注意
退職した年は初めてのことが多く思わぬ出費がかさむことがあります。なにより収入と支出に大きな変化が起こります。
退職後の収入に見合った生活サイクルに慣れるまではご家族を含めて意識改革をしなければなりません。退職一年目に起こる様々な出来事と注意事項をまとめました。
収支構造の変化
定年退職後、多くの世帯でこれまでかかえていた住宅ローンや教育資金などの負担が軽くなり、支出が少なくなることは確かです。しかし、それ以上に収入が大きく減ります。右の図は50歳代の勤労世帯の収支構造と年金生活者の収支構造を比較したものです。年金生活に入っても基本的な生活費はあまり変わらないので収支バランスが崩れ、収入の不足分は預貯金の取り崩しなどで対応されていることが伺われます。
年金満額はまだ先
老齢基礎年金(国民年金)、老齢厚生年金の受給開始は原則65歳に引き上げられました。生年月日により60歳から65歳までの間、特別支給の老齢厚生年金が支給される方もおられますが、本来支給される年金満額よりもかなり減額されています。
(参考:年金支給開始時期)
(参考:厚生年金支給額試算)
年金受取は3ヶ月先
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上に示したように年金の支払いは後払いが原則です。たとえば、あなたが2月から年金支給開始年齢になったとしても実際に年金が支払われるのは4月となってしまいます。
はじめて年金受給を始める場合は、給付手続きなどに時間を要しますので3ヶ月は余裕を見ておいたほうが良いでしょう。その後も、年金は2ヶ月ごとの振り込みになります、サラリーマン時代のように毎月収入があるつもりで使っていては毎回赤字を出すことになりかねません。
住民税、健康保険料は現役並み
住民税、国民健康保険料は前年所得金額を基準に算定されます。退職した翌年は現役時代と同じ金額を払わなければならないのでご注意下さい。健康保険については、加入保険組合を選択できますので下記記事を参考にしてください
(参考:健康保険の選択)ボーナスがない
サラリーマン時代は、毎月赤字続きでも賞与(ボーナス)で取り戻すことができ、年間収支は何とか黒字に保てていた方の場合。年金生活に入ると、賞与がないことに困られる方が多くおられます。
大きな買い物はボーナス払いでという生活スタイルは取れなくなるのです。