外貨投資

国内の預貯金に預けていても、もはや利息はほとんど望めません。一方、海外に目を向けると高金利商品が目を引きます、これらの金融商品は老後資金や自分年金に活用できるでしょうか。
また、金融資産を円だけで保有していることがリスクとも考えられます。将来インフレが起こったり円が暴落するリスクも考えられます。資産を複数通貨に分散できる外貨投資は有効なリスクヘッジとなります。
外貨投資のリスクとリターンを検討します。

外貨投資の基本

各国公定歩合比較 (出典:価格.com 外貨預金

日本の公定歩合が世界的にみてもかなり低いのは上図の通りです。
この状況にしびれを切らして外貨投資を始められている方が増えています。

最近は、100万円以上預けると優遇金利を適用するとか、投資信託とのセットで優遇金利などというキャンペーンをよく見かけます。
さて、これらの外貨預金や外貨定期預金でどれくらい利益を得られるのでしょうか
具体的に検証してみましょう。

運用条件
10万円を米ドル外貨定期(1ヶ月)に預けます。
金利は4%とします。
預け入れ
預入時の円/ドル為替レートは120円とすると

TTSは120円+1円(手数料)=121円
(外貨預金高)
10万円÷121円=826.44ドル
運用
元本 826.44ドル
利息   2.20ドル(税引き後)
−−−−−−−−−−−−
合計 828.64ドル(ドル建て受取額)
解約
為替レートによる利回りの違い
為替 115円
(5円円高)
120円
(変わらず)
125円
(5円円安)
TTB 114 119 124
円受取額 9万4464円 9万8608円 10万2751円
運用益 ▲5536円 ▲1392円 +2751円

外貨預金なので為替レートによって、収益も変わることは予想されていたでしょうが
預入時と解約時で同じ為替レートでも1ヶ月定期では元本割れしてしまうことは、 想像されていたでしょうか。

外貨投資も1ヶ月程度の短期運用ですと、金利よりも為替レートの変動の方が収益を左右します。外貨投資ではこのように為替レートの変動以外にもいくつかの注意ポイントがあります。次の記事をご参照下さい。

外貨投資のリスク

外貨投資は高金利にばかり目を奪われてはいけません。リスクにも目を向け、しっかり対策を打っておきましょう。
外貨投資で注意すべきリスクを解説します。

為替リスク
外貨投資の基本でも解説しましたように、為替レートの変動は少々の金利を吹き飛ばすほど投資収益に影響を与えます。
預入時よりも円安で解約できた場合は、為替差益と金利の両方を得られる代わりに、円高になれば元本割れする可能性も高いです。
手数料リスク
外貨預金をする場合は、TV等で報道されている為替レート(仲値)ではなく、TTS(対顧客電信売相場)、TTB(対顧客電信買相場)という取引レートが使われます。
このレートは通貨や商品により異なりますが、米ドル預金の場合TTSは仲値の+1円、TTBは仲値の−1円が一般的です。
外貨預金では、この差額(2円)以上為替が円安方向に動くか、金利を得られないと元本割れしてしまいます。
ディフォルト・リスク
外貨投資では、ディフォルト・リスクも注意が必要です。
特に高金利の外国債券には格付けが低いものがあります。途中換金すると元本割れすることもありますし、発行体が破綻する可能性もあります。債券とはいえハイリスクな商品です。
格付けと意味
S&P ムーディーズ 意味
AAA Aaa 最も確実性が高い
AA+ Aa1 債務を履行する能力は極めて高い
確実性はかなり高い
AA Aa2
AA− Aa3
A+ A1 債務を履行する能力は高いが
状況の変化や経済状況の悪化
による影響は受けやすい
A2
A− A3
BBB+ Baa1 現時点では債務履行能力は十分だが
長期的には、特定の要素について
確実性が低いか、信頼性の低いものがある
BBB Baa2
BBB− Baa3

外貨投資の種類

外貨投資商品には次のような種類があります。ご自身の投資目的に合わせて適切な商品を選んでください。

外貨投資商品比較
外貨預金 外貨MMF 外国債券 外国投信
取扱
金融機関
銀行など 証券会社
最低預入 10万円以上 10ドル以上 1千ドル以上 50万円以上
利回り 2−4% 4−5% 債券による ファンドによる
為替
手数料
往復2円 往復1円 債券による ファンドによる
その他
手数料
なし なし 口座管理料
(3150円/年)
口座管理用
信託報酬
解約
売却
定期は満期まで
解約不可
いつでも可能 途中解約しにくい
ものもある
ファンドによる
(注意:一般的な数値であり個別商品により条件は変わります)
外貨預金
取扱通貨の種類が最も多いのが外貨預金です。外貨預金は外貨での元本が保証されているので他の外貨建て商品よりも比較的安全です。ただし、為替リスクがありますので日本円での元本保障はありません。
満期時に外貨のまま受け取れることもメリットです。円高で満期を迎えた場合は、円安になるまで外貨のまま持っていることもできます。
外貨MMF
満期が無く、いつでも自由に預け入れ、引き出しができるのが特徴です。
為替手数料が外貨預金の約半分(1円)で、最低購入単価が10米ドルですので外貨預金よりも人気が高く、外貨の入門用としても、他の外貨商品の一時待避預金としても最適です。
外国債券
購入時に償還時の外貨建て金額が分かるので損益分岐レートが計算できる商品です。
比較的高金利の債券は信用リスクに注意してください。必ず格付け機関による格付けを確認しましょう。流動性の低い債券の場合は途中換金できないこともあり、ディフォルト・リスクにも注意してください。
外国投信
国内の投資信託には無い多様なタイプがあります。いわゆるヘッジファンドと呼ばれるファンドもあり、ご自分の投資目的に合わせた商品を選べます
外国投信では、そのファンドの投資リスクだけでなく為替リスクがあります。ファンドそのものの投資収益はあがっていても、日本円に換金した場合の収益は別です。ファンドによっては外国証券口座管理料や信託報酬がかかります。

外貨投資の選び方

投資スタンスによって外貨投資商品の選択も変わってきます。短期運用の場合、長期運用の場合に分けて検討します。

利回りよりも為替が収益を左右
為替リスクを吸収するほどの高利回りが必要
短期運用の場合
短期では利回りよりも為替変動が収益を左右します。
為替変動をみて適宜解約できる商品が適しているので、短期の外貨預金(1ヶ月)や外貨MMFが適しています。なかでも外貨MMFは満期もなくいつでも解約でき、口座管理料も不要、為替手数料が外貨預金の半額など短期運用には最も適しています。
長期運用の場合
為替リスクを吸収できるぐらいの高利回りと安全性が重要です。
外国債券や外国投信が適しているでしょう。債券の場合は満期時の償還金額が決まっているので、損益分岐レートが分かりやすいです。ただ、これらの外貨商品は毎年外国口座管理料などのコストがかかりますので、利回りと合わせて良く検討してください。
長期運用の場合はカントリーリスクや投資先の格付けをよく確認し、あまりリスクの高い国や債券は避けましょう

外貨投資では投資対象の通貨を選択することも重要です。
いくら金利が高く、手数料が安くてもカントリーリスクが高い国の通貨は避けた方が無難です。ひとたび金融不安が発生すれば、一瞬にして投資額が数分の1に目減りしてしまうこともあります。
さらに、投資国の経済情報や社会情勢が常に把握できることが、投資タイミングを見極めるためにも必要です。
運悪く円高の時期に満期を迎えた場合、外貨のまま保有することを考えると、将来その国に旅行したいと思っている国の通貨を選ぶのも良いでしょう。外貨のまま引き出して、その国で使用すると為替差損はありません。(手数料がかかることがあります)
複数通貨に分散投資する場合は、値動きが異なるものにした方がリスク分散になります。米ドル、香港ドル、豪ドル、NZドルは米ドル系といわれ、同じような動きになります。米ドルと違う動きをするのは、英ポンド、ユーロなどが代表的です。これらの通貨を使ってバランス投資を行ってください。

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