退職金への影響
結論から言うと、ゼロ金利解除(短期市場金利の上昇)は、サラリーマンに支給される退職金額にはあまり影響はなさそうです。
なぜなら、退職金の決定要素と短期市場金利は直結していないからです。それでは、退職金とゼロ金利解除は全く関係ないのかというと、そうとも言えないところもあります。
下の記事を参照下さい。
退職金の決定要素
一般的な企業の退職金決定要素は左図のようになるでしょう。
左記要素のうち「勤続年数」「職能資格」「個人成果」は、いずれも個人に帰着する問題ですので日銀の政策金利とは関係ないとします。
残る「企業業績」は、企業業種や地域、規模などにより金利上昇の影響を受けることも考えられます。ですので、日銀のゼロ金利政策解除は退職金額の変動には直接的な関係はないが、企業業績へ間接的に影響することもある、と言えるでしょう。
企業業績とゼロ金利解除への影響
右図は、日銀が短期市場金利の誘導目標を決めるための決定要因です。基本的には、(1)の消費者物価指数が最も大きな要素です。その次に(2)内外の経済情勢を勘案すると思われます。
企業業績はこの(2)の範疇にはいるはずです。最近の経済指標を見ると、バブル期に次ぐ好調な数字を示しています。それだけ、各企業の業績は好調なはずです。
ゼロ金利の解除が、企業業績に何らかのマイナス要因として働くのではないかと懸念されています。日銀は、急激な金利上昇は行わないと言っていますので、大部分の企業には大きな影響はないと思われます。
今回のゼロ金利解除は、ゼロ金利という異常状態を少し正常な金利状態に戻したとも言えます。ゼロ金利に慣れきった企業の中にはゼロ金利解除が資金繰りに影響を与えるところも出てくる可能性はあります。そのような企業にお勤めの場合は、退職金以前に企業存続のために働かれるのが重要かと思われます。