個人年金の選択

個人年金の種類

公的年金では不足する老後資金を補う目的で利用される方が多いのが個人年金です。個人年金にはいくつかの種類があります、次の表にまとめました。

個人年金の種類
分類 保険型 貯蓄型
年金種別 終身年金 確定年金 終身タイプ 確定タイプ
有期年金
保証期間付き
終身年金
保証期間付き
確定年金
取扱会社 生命保険
郵便局
JA
銀行
信託銀行
証券会社
郵便局
JA
全労済
(表中の分類、年金種別をクリックすると解説記事が見られます)

保険型と貯蓄型の比較

生命保険会社や郵便局、全労済が取り扱っている保険型年金は、本人が生きていることを条件に支払われる年金です。銀行や証券会社などの金融機関で扱っているのが貯蓄型の個人年金で、本人の生死に関わりなく年金が支払われます。
これらの違いをまとめたのが下の表です

個人年金比較
分類 保険型年金 貯蓄型年金
運用法 保険運用 積立預金、定期預金(銀行)
公社債(証券会社)
金銭信託(信託銀行)
金融債(長期信用銀行)
支払原資 掛け金と利息の合計 掛け金と利息の合計タイプと
利息だけを使うタイプがある
被保険者
死亡時
年金開始前に死亡すると
払込金額の一部しか戻らない
年金開始後は
保証期間が過ぎると
年金支払いはストップする
年金開始前に死亡しても
掛け金と利息は全額残る
掛け金
の条件
性別、加入時の年齢により
掛け金は異なる
性別、年齢に関係なく
掛け金は同じ

上の表を見ると、貯蓄型が有利なように見えますが、老後の生活費を補填するという意味では保険型の方が適しています。貯蓄型はあくまで貯蓄商品であり、生涯の生活費を補填するという目的には向きません。

終身年金(終身保障)

保証期間付き終身年金(定額型)
(増加年金は運用結果によります、あるとは限りません)

公的年金では生活費が不足する、そのような場合にはやはり終身年金が適しています。
保険型と貯蓄型の比較で紹介しましたように、保険型の終身年金は本人(被保険者)が生きている限り一生涯支払われる年金です。貯蓄型の商品にも終身タイプはありますが、金融商品の利息部分を年金として支払うもので、現在のところ生活費の一部に使えるほど高利息の商品はありません。もし、利息部分だけで生活するとなると、かなりの金額を用意する必要があります。ただ、資金的に余裕があり元本部分をお子さんに相続させたいという目的であれば、貯蓄型の終身年金は使えます。
終身年金には契約時に決めた基本年金額が変わらない定額型と毎年基本年金額が増えていく逓増型があります。インフレリスクを考えて逓増型を選択する手もありますが、逓増型は払込保険料がかなり高額になります。

確定年金(一定期間)

確定年金(定額型)
(増加年金は運用結果によります、あるとは限りません)

公的年金の支給が65歳からとなったことで、退職から公的年金支給まで収入のあてがなくなることになります。そのつなぎ資金として貯蓄型の個人年金や保険型の確定年金が使えます。また、退職後も元気なうちは海外旅行など大いに生活をエンジョイしたいという方にも、貯蓄型の年金や確定年金、有期年金が向いています。
確定年金は、保険型でも本人(被保険者)の生死に関わりなく年金が支払われるので、ご家族の資金計画に合っていれば最適の商品です。ただし、目的の旅行先や必要資金によっては一定額しか支払われない年金商品よりも、一般の金融商品の方が使い勝手が良い場合もあります。資金を使われる目的をよく考えて商品を選択してください。
もし一定期間の支払い年金でも、本人(被保険者)が死亡した場合は年金が不要だとお考えなら、有期年金を選択すると良いでしょう。保険型の年金である有期年金は、本人が死亡した場合は後の年金は支払われませんがその代わり保険料は安く済みます。


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