確定拠出年金の変更点
「確定拠出年金」は、2001年に導入された公的年金を補完する年金制度で、中小企業や自営業者への導入を進めてきました。しかし、確定拠出年金は条件面で利用者には不満な部分がありました。
厚生労働省は、利用者の使い勝手向上や老後生活の安定のために「確定拠出年金」の制度変更に乗り出しました。
企業型確定拠出年金に本人の拠出も認める
「企業型・確定拠出年金」は一部の好待遇サラリーマンを優遇しないようにと、これまで企業側のみ拠出が許されていました。
ところが、「企業型・確定拠出年金」を採用している企業の月額拠出金は平均1万1000円/月程度で、老後生活を支えるには不足することが懸念される状況でした。そこで、個人拠出を認めることで年金額の増加を目指し、月額掛け金の上限はこれまで通り4万6000円のままとして、金持ち優遇の懸念を払拭しました。
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制度改正には国会での承認が必要ですので、実現にはしばらく時間がかかります。
確定拠出年金の引き出し条件を緩和
確定拠出年金が使いにくいと思うのは、転職時の扱いでしょう。企業によっては企業型確定拠出年金を導入している会社もあれば、導入していない会社もあります。また、サラリーマンと自営業者間を移動した場合も確定拠出年金の扱いが面倒になります。
このような問題に対して、厚生労働省は個人の引き出しを緩和する方向で検討しています。
- 現行
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「企業型確定拠出年金」の加入者が、自営業者や企業年金がない中小企業などの社員になると基本的に解約は出来ません。
「個人型確定拠出年金」の加入者は、拠出期間が1ヵ月以上3年以下、もしくは残高50万円以下の場合に限って引き出し可能です。 - 改正後
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積立金の残高が25万円以下か、加入期間が3年以下の転職者。
転職後、2年以上にわたって追加の拠出金を払わずに運用だけを続ければ、 積立金を一時金として受け取れるようになります。
この制度改正にも国会での承認が必要です。実現にはしばらく時間がかかります。