株式投資と債券投資

株式や債券に直接投資するのは、リスクが高いと考えられていますが、最近インターネットの発達で個人でも株投資を始められている方が増えています。
「分散投資」を心がけリスクコントロールができる方なら決して難しくはありません。この記事を読んで挑戦されてはどうでしょう。

株式投資と債券投資の有利不利

株式投資と債券投資の収益率比較
(出典:日本証券経済研究所

株式投資と債券投資を比較した場合、最も大きな違いは上の表に示しましたように、収益率の変動幅でしょう。
特に短期の株式投資では、大きな利益を得る可能性もありますが、損を被る可能性もあります。それに対し債券投資では比較的価格変動は少なく、安定した収益を得られます。株式投資の収益率変動を少なくするのは、投資期間を長くすれば良いことはグラフの通りです。

株式と債券の比較
有利ポイント 不利ポイント
株式 ・投資先の株価の値上がりで
 売却益を得られることもある
・保有期間中は配当収入を
 得られる会社もある
・「株式優待制度」で優待を
 受けられる会社もある
・債券よりも高い値上がり益を
 得ることもある
・投資先の業績下落で
 売却損を被ることがある
・投資先の利益が上がらず
 配当を得られないこともある
・投資先が倒産すると
 株券はただの紙切れとなる
・株投資には
 まとまった投資額が必要
債券 ・投資時に元本の償還時期、
 利回りが確定している
・株式より安全確実
・償還前に売却して
 値上がり益を得ることも可能
・購入後に金利が上がり
 債券価格が下落することがある
・発行先が破綻すると
 ただの紙切れとなることがある
・株式ほどの
 高い値上がり益は得られない

株式投資、債券投資にはそれぞれメリット、デメリットがあります。
株式には保有している株価の上昇益(キャピタルゲイン)と配当金(インカムゲイン)を得られるメリットがあります。ただ、投資した会社の業績が悪くなったり、思わぬ環境変化で株価が下がったり、配当が中止されることあります。
債券投資は比較的リスクは低く、金利の上下で債券価格は変動しますが、償還まで保有すれば額面金額で償還金が受け取れます。

賢い株投資法

日経平均株価推移
(日経平均株価推移:1984年〜2006年)

1984年からの日経平均株価チャートをみると、株価が下がっているのが目立ちます。バブル期の株価が如何にすごかったのかが分かります。しかしさらに長期でみると株価は上がっていますし、「時間分散」という考え方で株は売買べきだということが分かります。投資には「分散投資」が重要だとお話ししていますが、「時間の分散投資」も投資の極意です。

個人が株取引を行うのに便利な次のような制度があります。

ミニ株
最低取引単位(単元株)では投資額が高すぎで個人が手を出しにくい株に対して 単位株の十分の一単位で売買することができる制度
(証券会社により、ミニ株として扱える企業が異なります)
るいとう(株式累積投資)
毎月1万円から特定企業の株を買い足していく制度
「時間分散」を自動的に行える便利な制度で、株価の安いときは購入口数が多くなり 株価の高いときは購入口数が少なくなります

債券投資のポイント

債券には次のような種類があります。

国債
・利付国債
・割引国債
・政府保証債
社債
・事業債
・転換社債
・ワラント債
地方債
・地方自治体発行
外国債券
・外国政府発行
・外国機関発行
・外国企業発行

株と債券は景気循環のなかでは互いに逆の動きをします。「分散投資」の考え方を取り入れると株と債券にバランス良く分散投資するのが、リスクを低減することになります。

金利と債券価格の関係
要因 金利 債券価格
金利 上昇 下落
下落 上昇
債券価格 上昇 下落
下落 上昇

債券価格と金利とは密接な関係があります。上の表に示しましたように、金利が上がると債券価格が下がり、債券価格が下がると金利は上がるという関係があります。
この関係があるので、債券は株式のような大きな価格変動がありません。たとえば、債券価格が下がっていくと金利はどんどん上がります。ある程度債券価格が下落すると金利メリットに目をつけた投資家がその債券を購入します。すると債券価格は上がっていきます。このような関係があるので、債券には大幅な価格変動が無いのです。
ただし、デフォルトリスクはあります。債券を発行している発行企業なり国が破綻すると、償還金が100%戻ってこない可能性があります。

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