健康保険の選択
退職前に決めておきたい重要事項の一つに、健康保険の選択があります。
再就職し新しい会社の健康保険に加入できるのであれば問題ありません。そうでない場合、一般的には次の4つの選択肢が考えられます。加入条件などもありますので、ご自分に合った健康保険制度をご検討下さい。
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一般的に得な選択
国民健康保険の保険料は上図に示したように、前年所得金額から算出されます。
退職後すぐに国民健康保険に加入した場合、退職翌年は収入はないのに前年の所得金額により高額の健康保険料を負担しなければなりません。
退職後しばらくは勤めていた企業の任意継続被保険者に加入し、所得金額が少なくなった翌年以降国民健康保険に変更された方が保険料負担は少なくなるのが一般的です。
任意継続被保険者
- 加入条件
- 退職前日までに2ヶ月以上その健康保険組合の被保険者であったこと(共済組合の場合は1年以上)
- 加入できる期間
- 最長2年間
- 本人負担金
- 3割
- 保険料
- 全額自己負担
保険料は自己負担ですが、所得金額の多かった人は国民健康保険より有利になる場合が多いです。病気になった場合、傷病手当金が出るなど給付上の特典もあります。
国民健康保険
- 加入条件
- 他の健康保険に加入していないこと
- 加入できる期間
- 制限無し
- 本人負担金
- 3割
- 保険料
- 市区町村によって異なる
主に自営業者の方が加入しておられる健康保険で、居住自治体の健康保険組合に加入することになります。 保険料はそれぞれの自治体の健康保険組合によって異なりますので、役所などで保険料を調べてください。
同居家族の健保の被扶養者
- 加入条件
- 60歳以上の方は年収180万円以下
- 加入できる期間
- 制限無し
- 本人負担金
- 3割
- 保険料
- 扶養者が負担
同居の家族が何らかの健康保険に加入しておられるなら、その人の被扶養者としてその健康保険組合に加入するという方法があります。この場合健康保険料は扶養者が支払うことになります。
特例退職者医療制度
- 加入条件
- 所属健康保険組合に20年以上または40歳以降に10年以上加入していた人
老齢厚生年金を受給している人 - 加入できる期間
- 75歳まで
- 本人負担金
- 3割
- 保険料
- 全額自己負担
主に大企業の健康保険組合に加入していた人が選択できる制度です。他の健康保険組合よりも保険料が安くなる場合が多いようです。